船は魔法の乗り物

船に乗ると、いつのまにか、
知らない人に笑顔で手を振っている自分に気づきます。
陸にいる人も、船に向かって笑顔で手を振りかえしてくれます。

船は人を笑顔にできる魔法の乗り物。
船が走ると、知らない人同士が、笑顔で手を振り合い、
明るく微笑み合える。

誰もが笑顔で手を振り合う街が、私たちの生まれた運河のある街です。


 小学校2年生が学ぶ「季節を知る」というテーマでは、遠い公園までドングリを拾いに行っていましたが、今は船を使って10月の第二週にやってくる水鳥を観察します。

 小学校3年生は「運河学習」という、身近な運河に関して疑問に思ったことや知りたいことを船に乗って学び、高学年になると「水環境」や、コンテナによる「物流」と、各学年に合わせた学習テーマを提供しています。

 日本の国の花は「桜」です。そして国の鳥は「キジ」。それでは、東京都の「鳥」は何かご存知でしょうか?
「答えはユリカモメ」。
江戸時代から「みやこどり」と呼ばれ愛されてきた鳥です。

 秋も深まる頃、東京には北の国からユリカモメを始めとして、多くの渡鳥がやってきます。冬の訪れを渡鳥で知る。春の訪れをカルガモのヒナで知り、渡鳥が飛び立つ姿で初夏の訪れを知る。水辺で生まれ育つ子供たちに、水辺の自然の日々の変化を感じて欲しいと願っています。

 運河の出口にそびえる巨大な水門。一枚の重さが70トン、自動車35台と同じという説明に子供たちはビックリ。大津波がきても大丈夫。この水門で街が守られているということを学びます。水門の横にはポンプ施設があって、洪水の時には5秒間で学校のプール1杯分もの水を運河の外の海に放水してくれることも学びます。

 自分たちの街を守る防災施設を船から見学することは、生まれ育つ街への誇りと愛情を育むことに繋がります。

ふりかえり授業

 船に乗って学んだ後、学校で「ふりかえり授業」をやります。みんな聞きたいことが沢山あって質問の嵐!全クラスを回って、あらゆる質問に答えていきます。そして最後に、海をキレイにするために、みんなが今日からできることを伝えます。
 海を汚しているのは生活排水。その中でも食べ物の残り物が一番栄養価が高くて海を汚している。

 牛乳を一本海に流せば、お風呂の水10杯で薄めないと魚は生きていけない。「食べ残しをしないこと」が海をきれいにするために大切なのだと子供たちに伝えます。
 今日から、がんばって食べよう。台所のお片付けも手伝って、残り物を流さないようにしよう。「給食の食べ残しが減りました」という先生の報告が私たちには何より嬉しい対価です。

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