われわれの提唱する「東京水辺再生プロジェクト」とは市民と行政がともに連携を図り、泳げる海の実現を目指すプロジェクトです。

生き物プロジェクト

ikimono01.jpg 透明で美しい水が流れる水辺。そんな、私たち人間にとって快適な水辺を作ることは、そこを棲み処とする生き物たちの生態系を取り戻すことにもつながります。そして、水辺の生態系が復活すると自然浄化作用が高まり、更に環境の改善が促進されます。生き物にとって棲みよい水辺環境を調べることを目的に、国土交通省、東京都港湾局、港区が住民と共に行っているのが「生き物の棲み処づくりプロジェクト」です。

■カニ護岸
周囲を運河で囲まれた芝浦アイランドの西岸には、鹿島建設が設計した長さ200mの通称「カニ護岸」と呼ばれる近自然型ブロックを備えた護岸が作られています。この護岸には2箇所の干潟機能を備えた潮溜まりがあり、ハゼやエビ、ウナギなど多様な生き物が生息しています。ここでは地域の小学校が野外授業で環境学習を行うなど、都会の子ども達が海の自然を体感出来る貴重なフィールドとして利用されています。NPO海塾では、アドプト制度によって住民が自ら護岸を管理運営できる体制作りのお手伝いをしています。

■運河は汽水域
河口など、海に淡水が流れ込むことによって塩分濃度が低くなった水域を汽水域といいます。芝浦運河周辺の水環境は芝浦水再生センターから出る再生水の影響によって、表層の塩分濃度が極めて低いのが特徴です。また再生水の温度は一年を通じ約20~24度で安定しているので周辺の運河の水温は冬は暖かく夏は涼しいという生き物にとって快適な環境になっています。