われわれの提唱する「東京水辺再生プロジェクト」とは市民と行政がともに連携を図り、泳げる海の実現を目指すプロジェクトです。

カヌー

kanoe01.jpg カヌーに乗って水の上に浮かび自分たちの街を見る体験。美しく愛らしい水鳥や水辺に生息するカニなど生き物を観察する体験は、産まれ育った故郷に対する愛情の源となります。この地で育つ子どもたちに故郷の自然を教えてあげたいという思いから、NPO海塾では港区のNPO活動助成事業として水辺環境の自然観察・学習会を開催しています。

■親子で学ぶ水辺環境
まず初めは教室で、水鳥や魚やカニなど、運河に棲んでいる生き物について学びます。冬になったらやってくる渡り鳥にはどんな種類があるのか?この運河で一生を過ごすカルガモは何処で巣を作り何を食べ、どのように子育てをするのか? そして、水環境のこと。運河の水は海水なのか?淡水なのか? どこから流れて来るのか? どうすればもっとキレイになるのか? 親子で学習します。

■親子でカヌー体験
水辺の自然観察は親子でカヌーに乗って行います。泣き虫の子も、ヤンチャな子もカヌーに乗ったら皆静かになります。感受性豊かな子供にとって自分が座る船底が布一枚で海と接しているという刺激は大人が想像する以上のものなのです。座るのは子供が前、大人は後ろ。カヌーは互いに声を掛け合い息を合わせて漕がなければ真っ直ぐ進むことも出来ません。水上の隔離された空間での共同作業によって親子の絆が一層深まります。

■水の上から見る街
橋の上や運河沿いの遊歩道から見る運河は狭く細い水路にしか見えませんが、実際に浮かんでみると、その長さと広さに誰もが驚きます。水の上から見る街は別世界です。いつも通る橋を裏側から見るのも、水鳥が自分と同じ目線から飛び立つのも、ボラが船に驚き飛び跳ねるのも子供たちにとっては生まれて初めての体験です。水面を吹き抜ける風の気持ちよさと共に、きっと生涯忘れることの出来ない思い出になることでしょう。

■水辺体験を通して学べること
水辺の自然観察・学習会に参加した方々から、多くの熱いメッセージを頂きました。「食べ物の残りが海を汚していると知ったことから、子供が食べものを残さないようになった」という声や、「子供が自分を見る目が変わったような気がする」と話すお父様もいらっしゃいました。このカヌーを使った教育プログラムは環境学習だけでなく、食育や親子の絆を深める等、様々な効果が期待できます。